日本農学会

日本農学会事務局

日本農学会会長ご挨拶

日本農学会は、農学およびその技術の進歩発達に貢献することを目的に、関係専門学協会を会員とする連合体として設立されました。
昭和4年(1929)11月に設立総会が開催され、昭和5年(1930)から活動を開始して以来93年の歴史があります。令和4年現在、会員として53の学協会が加盟しております。また、平成29年の11月1日付で一般社団法人として登記し、平成30年度からは「一般社団法人日本農学会」として新たに活動を開始しております。
 農学は、農業の発展を支え、食生活を豊かにする応用科学として発展してきました。その後の自然と人間の関係性が問い直される時代の中で、農学に対しては、地域からグローバルな視野で様々な生物・自然環境と人間の関りを探求し、持続可能な社会構築に貢献することが期待されています。このような社会的なニーズの変化に対応して、農林水産業の生産性の向上、食品産業の技術革新を軸としつつ、環境、資源・エネルギー、食品の安全性、防災などにその研究領域を拡げてきました。  
一方、20世紀後半から著しく進歩した分子生物学、情報科学等の手法の積極的な導入により、それぞれの専門領域ではかつてない研究の深化がみられ、また、他の研究分野との連携を通じて新たな領域にも果敢に挑戦することで目を見張る成果を上げてきました。 こうした中で、日本農学会は時代を動かした業績や時代を変える業績に対し「日本農学賞」を授与し、併せて読売新聞社より読売農学賞を授与していただくことで農学の成果を広く社会に知らしめるとともに、さらなる発展のインセンテイブを与えています。 また、農学分野からの社会に対する分かりやすい発信と広範な専門間の情報交換の場として水準の高いシンポジウムを開催しています。  
 このように、日本農学会は日本の農学分野を取りまとめ、代表する団体として重要な使命を担っています。今回、その運営責任者に選任されましたので、身を引き締めつつ微力を尽くす所存であります。

第19代会長 大杉 立